ご挨拶

 この度は、ここ四国香川の地で日本子ども虐待防止学会第30回学術集会かがわ大会を開催できますことを、心より感謝申し上げます。

 かがわ大会では「あゆもうともに~こどもたちとつながりつづけるために~」をテーマにしました。さまざまな小児期逆境体験をなぞりながら生きている子どもたちにとって、つながれる場所、気にかけてくれている大人が一人でもいることは、大きな財産となり、生き抜くための力となると思っています。目の前にいる子どもたちの「声なき声」を聴きながら、ずっと伴走し続けること、また、子どもの人生は、子ども本人が旗振り役であり、子どもたちが歩く道が明るい未来につながっていますように。そういった思いをテーマや大会企画プログラム、ポスターに込めました。

 また、私がこれまでこの仕事で大切にしてきたことは「おせっかい」と「のりしろのある連携」です。自分の職域からは少し外れるかもしれないけれど、みんながそれぞれ少しずつ「おせっかい」をすると、それぞれの仕事に「のりしろ」ができ、隙間が埋まり、子どもたちがこぼれ落ちにくくなります。ぜひ、かがわ大会では仲間をたくさん作り、一緒にあゆみ、のりしろを作ることの大切さを考える2日間にしていただけたらと思っています。

 かがわ大会開催に合わせて、「つながる応援‒ばんこっき万子旗‒」というアートワークショップを香川県内あちこちで行いました。子どもたちの幸せを応援する「ばんこっき万子旗」を作りながら、県内のいろんな方々に子ども虐待について考えていただくきっかけになれば、と企画しました。当日は「ばんこっき万子旗」を会場に飾り付け、全国から来てくださる皆様をおもてなし(四国遍路ではお接待と言います)しております。ひとつひとつ違うきれいな応援旗をぜひご覧ください。また、香川県はうどんだけでなく、美しい瀬戸内海の島々やお遍路文化、「瀬戸内国際芸術祭」などアートの側面もあります。ぜひ学術集会参加に合わせて足を延ばしてお楽しみください。

 最後になりましたが、2年前、私に声をかけていただいて、このような貴重な機会を与えていただいた当学会顧問の小林美智子先生、また突然のわがままを温かく受け止めて全力でサポートしてくださった、実行委員長の横井広道先生、プログラム委員長の山本真由美先生をはじめ実行委員や事務局、県内関係者の皆様、この場を借りて心からお礼申し上げます。

2024年11月吉日

日本子ども虐待防止学会
第30回学術集会かがわ大会

大会長 木下あゆみ(四国こどもとおとなの医療センター・小児科/育児支援対策室長)